- 「募集をかけても、なかなか良い人が来てくれない…」
- 「ようやく採用できても、すぐに辞めてしまう…」
大阪府下で事業を営む多くの中小企業の経営者様から、このような採用に関する切実な悩みを伺います。ハローワークに求人を出しても、求人サイトに高い費用を払っても、求める人材に出会えない。この問題、実は単なる「採用市場の不況」だけが原因ではないかもしれません。
この記事では、人手不足という大きな課題に対し、「採用」以外の視点から解決策を見出すためのヒントをお伝えします。それは、社内に隠れている「無駄な業務」を見つけ出し、AIやITツールで「自動化」すること。
「AIや自動化なんて、うちみたいな中小企業には縁遠い話だ」と思われたかもしれません。しかし、この記事を読み終える頃には、その考えが変わり、自社の未来を切り拓くための具体的な一歩が見えているはずです。
有効求人倍率のウソ。欲しい人材が市場にいないという現実
結論から申し上げますと、有効求人倍率の数字が高くても、自社が本当に求めるスキルや経験を持った人材に出会えるとは限りません。
ニュースなどでよく聞く「有効求人倍率」という言葉。これは厚生労働省が発表している指標で、「仕事を探している人ひとりに対して、何件の求人があるか」を示したシンプルな数字です。例えば倍率が1.2倍なら、1人に対して1.2件の求人があるという意味で、数字が大きいほど企業にとっては人手が集まりにくい状況を表します。
大阪府の有効求人倍率が1倍を超えていると、「仕事を探している人よりも求人のほうが多い」状況なので、一見すると採用しやすいように感じられます。
しかし、この数字には大きな落とし穴があります。
- スキルのミスマッチ: 企業が求める専門スキルと、求職者が持つスキルが一致しないケースが増えています。
- 大手企業との採用競争: 知名度や待遇面で勝る大手企業に、優秀な人材が集中してしまいます。
- 労働人口の減少: そもそも日本の生産年齢人口は、長期的に減少傾向にあります。
つまり、私たちは「人はいるけれど、自社に合う人はいない」という厳しい現実の中で、採用活動を行わなければならないのです。
多くの時間とコストをかけて採用活動を続けても、結局は徒労に終わってしまう…。その時間とコストを、別のことに使えたとしたら、会社はもっと成長できるのではないでしょうか?
毎日繰り返される「あの作業」、年間何時間の損失か計算したことありますか?
採用に目を向ける前に、一度、社内の業務に目を向けてみませんか?実は、社員が毎日繰り返している単純作業の積み重ねが、会社の成長を妨げる大きな時間的損失とコスト増に繋がっているのです。
例えば、以下のような作業に心当たりはないでしょうか?
- 請求書や納品書のデータを、Excelや会計ソフトに手入力する作業
- 複数のシステムからデータを抽出し、報告書用に転記・集計する作業
- 毎日決まった時間に、同じ内容のメールを複数の取引先に送る作業
- 紙の稟議書や日報を、上長にハンコをもらうために社内を歩き回る作業
仮に、これらの単純作業に1人の社員が1日あたり「たった30分」を費やしているとします。
1ヶ月(20日勤務)で計算すると、10時間。
年間では、なんと120時間もの時間を失っていることになるのです。
もし、社員が3人、この作業を行っていたら年間360時間です。時給1,500円で計算すると、年間54万円もの人件費が、何も新しい価値を生まない単純作業に消えていることになります。
この失われた時間を、もっと付加価値の高い、創造的な仕事…例えば、新規顧客の開拓、新サービスの企画、顧客満足度の向上といった業務に充てることができたら、会社の未来は大きく変わるはずです。
Excelマクロはもう古い?RPAとAIが実現する次世代の業務自動化とは
「業務の自動化なら、Excelマクロでやっているよ」というお声も聞こえてきそうです。もちろん、Excelマクロは手軽で有効なツールですが、いくつかの課題も抱えています。
- 作成した担当者しか修正できず、属人化しやすい
- 処理が複雑になると、パソコンの動作が極端に重くなる
- Excel以外のアプリケーション(会計ソフト、Webサイトなど)との連携が難しい
そこで、これからの時代の中小企業にこそ活用していただきたいのが、RPAとAIによる次世代の業務自動化です。
- RPA(Robotic Process Automation)とは?
- なんかややこしい言葉ですが、一言でいえば、「パソコン上の定型作業を代行してくれるデジタルロボット」です。人間がマウスやキーボードで行っている操作を、そのまま記憶して24時間365日、文句も言わず正確に実行してくれます。
- AI(人工知能)とは?
- RPAが「手足」だとすれば、AIは「頭脳」の役割を果たします。これまで人間にしかできなかった「判断」を伴う作業を自動化できます。
このRPAとAIを組み合わせることで、Excelマクロの限界を超えた、高度で柔軟な自動化が実現可能になります。
【RPA×AIによる業務自動化の具体例】
業務内容 | 自動化で実現できること |
---|---|
請求書処理 | メールで受信したPDFの請求書をAI-OCRが読み取り、内容をデータ化。RPAがそのデータを会計ソフトへ自動で入力する。 |
問い合わせ対応 | Webサイトからの問い合わせメールの内容をAIが解析。「見積依頼」「資料請求」「その他」などに自動で振り分け、担当者へ通知する。 |
受発注業務 | 取引先から届いたFAXの注文書をAI-OCRで読み取り、RPAが在庫管理システムに自動で入力。在庫確認から発注処理までを完結させる。 |
データ収集・分析 | 競合他社のWebサイトや市場データをRPAが定期的に収集。AIがそのデータを分析し、分かりやすいレポートを自動で作成する。 |
これらの自動化は、ほんの一例です。これまで「これは人間がやるしかない」と諦めていた作業の多くが、自動化の対象となり得るのです。
稟議書・日報のデジタル化から始める、全社的な業務改善プロジェクトの進め方
「いきなりAIやRPAと言われても、何から手をつけていいか分からない」と感じるのは当然です。大規模なシステム導入を想像し、不安に思うかもしれません。
しかし、ご安心ください。DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させる秘訣は、いきなり大規模な改革を目指すのではなく、稟議書や日報といった、身近で小さな業務のデジタル化から始める「スモールスタート」にあります。
なぜスモールスタートが良いのでしょうか?
- 低コスト・低リスクで始められる: 大規模な投資は不要です。月額数千円から利用できるツールもたくさんあります。
- 効果を実感しやすい: 導入後すぐに「ハンコをもらいに行く手間がなくなった」「スマホで報告書が出せるようになった」といった効果を社員が実感でき、次の改善へのモチベーションに繋がります。
- 社員の抵抗が少ない: 身近な業務の「不便」が解消されるため、変化に対する心理的なハードルが低くなります。
私たちは、以下の4つのステップで、お客様のDX化を「寄り添い」ながらサポートします。
ステップ | 内容 |
---|---|
Step 1:現状業務の可視化 | まずは、社員の皆さんが「誰が」「いつ」「どんな作業」をしているのかを丁寧にヒアリングし、業務の流れを一枚の地図のように明らかにします。自分たちでは当たり前だと思っていた作業に、意外な無駄が隠れていることも少なくありません。 |
Step 2:課題の特定と目標設定 | 可視化された業務の中から、「なくせる作業」「自動化できる作業」を一緒に見つけ出します。「残業時間を月10時間削減する」「書類作成の時間を半分にする」といった、具体的で測定可能な目標を設定します。 |
Step 3:ツールの選定と導入 | 設定した目標を達成するために、本当に必要なAIやITツールをご提案します。私たちは特定のツールを売る会社ではありません。あくまでも御社の目的を達成するために、できるだけ安価で効率的に使える最適なツールを、中立的な立場で選定します。 |
Step 4:効果測定と改善 | ツールを導入して終わり、ではありません。設定した目標が達成できたかを一緒に確認し、「もっとこうすれば良くなる」という次の改善策を考え、継続的にサポートします。このサイクルを回すことで、会社は着実に強くなっていきます。 |
このプロセスで大切なのは、AI活用やDX化そのものをゴールにしないことです。あくまでも、御社の「残業をなくしたい」「生産性を上げたい」「新しい事業に挑戦したい」といった目的を達成するための手段として、私たちはAIやITの活用をサポートします。
もし、社内の業務改善に関心をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。
AI活用・XD化サポートサービスについてはこちら
まとめ:人手不足の時代を「少数精鋭」で勝ち抜くために
この記事では、中小企業が抱える人手不足の問題を「採用」以外の角度から解決する方法として、社内に潜む無駄な業務を自動化するアプローチをご紹介しました。
- 有効求人倍率に惑わされず、採用だけに頼らない組織作りが必要。
- 日々の単純作業の積み重ねが、大きな時間とコストの損失に繋がっている。
- RPAやAIを活用すれば、これまで諦めていた業務も自動化できる。
- 成功の鍵は、身近な業務から始める「スモールスタート」。
私たちが思うに、これからの時代、人手不足はさらに深刻化していくでしょう。しかし、それは悲観することばかりではありません。見方を変えれば、AIやITの力を借りて、無駄な業務から社員を解放し、本当に価値のある仕事に集中できる「少数精鋭」の強い組織を作る絶好の機会とも言えるのです。
私たちは、特定のAIツールを売るだけのサービスではありません。DX化によって生まれた時間で、御社がさらに成長していくための「戦略立て」から「管理」に至るまで、トータルでサポートさせていただきます。
まるで「専門知識のある、頼れる社員が一人増えた」かのように、私たちをフルに活用してください。
まずは、御社の現状やお悩みをお聞かせいただくことから始めませんか?もちろん、ご相談は無料です。お話を聞いてみて「ちょっと違うな」と感じたら、気兼ねなくお断りいただいて構いません。
皆様からのご連絡を、心よりお待ちしております。
よくあるご質問(Q&A)
Q. パソコンが苦手な社員が多いのですが、大丈夫でしょうか?
A. はい、ご安心ください。私たちが大切にしているのは、難しいツールを無理に導入することではなく、皆様がストレスなく使える環境を整えることです。操作方法のレクチャーはもちろん、誰にでも分かりやすいマニュアル作成なども含め、丁寧にサポートさせていただきます。
Q. どのくらいの費用がかかりますか?
A. 私どもでは、まず現状をヒアリングさせていただき、どのようなサポートが可能かをご提案いたします。初回のヒアリングは無料です。ご契約いただく場合も、初月はお試し価格でサポートをご提供しておりますので、費用対効果を実感いただいた上でご継続いただけます。
Q. AIやDXというと難しそうですが、何から始めたらいいですか?
A. まずは、社員の皆様が「面倒だ」「時間がかかる」と感じている業務を教えてください。稟議書や日報の電子化、簡単なデータ入力の自動化など、身近な課題解決から始めるのが成功の秘訣です。何から手をつけるべきか、一緒に考えさせていただきますので、お気軽にご相談ください。